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全国に「在宅療養支援診療所」が整備されてきている


2000~2005 年あたりまでは、高齢者やそのご家族が在宅医療を希望しても、実際に行うのは難しい場合が少なくありませんでした。当時は在宅医療を行う医師の数が限られていて、在宅での療養を支える地域のネットワークも必ずしも十分ではなかったからです。

しかし、近年は状況が大きく変わっています。
2000 年に介護保険が導入され、高齢者の介護や療養を支えるための環境づくりが各地で進められてきました。
そして2006 年には「在宅療養支援診療所」という在宅医療を行うクリニックの規定が新しくつくられ、2008 年には「在宅療養支援病院」の規定もできました。在宅医療を担うクリニックや病院の施設数は年々増加していて、2017 年5 月現在、全国で1 万7000施設を上回るまでになっています。
在宅医療の推進は、国の医療政策の要でもあります。背景の一つには、社会の高齢化により年に1 兆円のペースで増え続けている国民医療費を削減したいというねらいももちろんあります。しかし、理由はそれだけではありません。
超高齢社会を迎え、近年は国民の価値観も「高齢や要介護になっても、住み慣れた自宅で自分らしく生きたい」という方向へ変化してきています。そうした国民の希望に応えるという意味でも、国としては在宅医療へのシフトをさらに推し進めようとしています。
残念ながら、在宅医療の普及率において、地域による差がまだ大きいといえます。それでも日本全体では、患者さん本人やご家族が希望すれば、高い確率で在宅医療を行うことができる時代になってきています。
高齢者や要介護になった人に「家で過ごしたい」という思いがあるなら、また「在宅でやっていけるなら、そうさせてあげたい」とご家族が願うのであれば、ぜひ、在宅医療に挑戦してみてください。
本書ではそのために役立つ情報を詳しくお伝えしていきます。