グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



TOP >  管理栄養士によるレシピ紹介 >  管理栄養士コラム

管理栄養士コラム



2024年10月号:ミキサー食について

「ミキサー食」とは?

噛む力や飲み込む力が弱くなった方のための食事のことです。ミキサーを使って滑らかにし、スプーンですくって食べられ、口の中でバラバラにならないように配慮されています。(ピューレ食・ペースト食と呼ぶこともあります)
ムース食、ソフト食など素材の形に近くし、視覚で楽しみながら食べられるものもありますが、今回は過程で作りやすいミキサー食のご紹介です。

ミキサー食の作り方の基本

基本的に調理済の食材に水分を加え、ミキサーにかけてとろとろにします。料理によってはとろみを加えることもあります。
どんなものでもミキサーにかけられますが、食材によってはおいしくなかったり、かえって飲み込みにくくしてしまう場合がありますので注意が必要です。

作る際のポイント

・ミキサーにかけるとき、加える水分はできるだけ少なく
素材から出る水分を重視します。水分でカサを増やさず、少量でしっかり栄養がとれるようにします。汁気が多い料理は具材を中心にします。食材が少ない料理はあえて提供しなくてもいいです。

・でんぷん主体のものは気を付ける
ご飯やイモ類などは、ミキサーにかけすぎると固くなったり、とろみが強く出てきて飲み込みにくくなる場合があります。イモなどはつぶして水分を含ませると食べやすくなります。

・野菜は温野菜などを煮たり、ゆでたり炒めたものにする

・手間を減らす工夫もおすすめ
主菜だけミキサーにかけてそのほかは市販のものを利用したり、ご家庭の手作りの料理+高栄養ゼリーなどでも!

・以下の食材を加えると栄養価がアップ!
きなこ、卵黄、粉ミルク、コーヒー用液状ミルク、ホイップクリーム、絹ごし豆腐(1/8丁)、無調整豆乳、牛乳、じゃがいも、プロテイン…など

食べる際のポイント

・栄養価の高いおかずから食べる
飲み込む機能が弱い方は食事に時間がかかり、後半は疲れて誤嚥のリスクが上がりやすくなります。

・スプーンは小ぶりで浅め
スプーンのくぼみが深いと、一回に口に入れる量が多すぎてしまい、むせや食べこぼしの原因となります。

・交互嚥下でのどの通りをスムーズに
食べ物が口の中やのどに残りやすい場合は、とろみのある飲み物などと食事を交互にとることで飲み込みがスムーズになります。

ミキサー食例

  • 肉じゃが
①肉と玉ねぎ、じゃがいも、にんじん…というように、素材ごとにミキサーにかけます。糸こんにゃくは外して。
②下にじゃがいもペーストを敷いて、他の食材を上に載せます。
③豆類(写真の場合えんどう豆)は使わず、残った葉物野菜を豆腐と一緒にミキサーにかけてもいいです。
✔食材の水分でしっとりするため、とろみ剤は使っていません

  • 葉物野菜のおひたし
①家族用のおひたしをだし汁でミキサーにかけます。汁を少なめにすると程よいとろみがつきます。
②水分が多くなってしまった場合はとろみをつけます。

  • 豚のやわらか生姜焼き
①豚ひき肉にじゃがいもや豆腐などを加えてミキサーにかけます。
②調味料を加えて蒸し焼きにします。
✔調理の段階から滑らかさ、見た目を意識したソフト食になります。

2024年8月号:残暑バテを予防しよう!

「残暑バテ」とは?

初夏から続く暑さの疲れの蓄積や、残暑の暑さによって体調を崩してしまうことをいいます。

生活のポイント

・朝や寝る前の軽いストレッチや深めの呼吸を繰り返します。
⇒睡眠の質をあげたり、発汗能力の維持にもつながります。

・冷房による冷えの対策
⇒温度を下げすぎないことや靴下、腹巻きなどで身体を冷やしすぎないようにします。
⇒残暑といってもまだ暑いため、冷房の適切な使用は必要です。朝晩の温度設定の変更や扇風機を活用し、真夏とは少しずつ使い方を変えていくことをおすすめします。

食事のポイント

・基本は栄養バランスのとれた食事です
⇒主食(ごはん・パン・麺)+主菜(肉・魚・卵・大豆製品の料理)+副菜(野菜・きのこ・海藻)がそろった料理が基本です。
⇒もちろん、一皿に全部入っている料理でもOKです。

・常温以上の食事を中心に
⇒冷しゃぶなどの冷たい料理よりも、豚の生姜焼きなどを常温以上の食事で胃腸を守ってください。野菜たっぷりのスープや味噌汁なども取り入れて。

・ビタミンB1が多い食品を
⇒疲労回復効果と栄養をエネルギーに変換する役割などがあります。
例)豚肉・うなぎ・大豆・ほうれん草・雑穀・ごま など
⇒にんにくや玉ねぎなどの香味野菜はビタミンB1の吸収を高めます。

・酸味のある食材をとりいれて
⇒疲労回復や殺菌効果があります。
例)鶏の照り焼きなどに酢やレモンをかけて食べる・餃子のたれに酢をたっぷりと・ドレッシングに黒酢やリンゴ酢を加えてサラダにかける など
近年は秋が短くなり、暑さから急に気温が下がりさらに体調を崩しやすくなることもあり得ます。
少しずつ季節を先取りしながら体調管理に努めてください。

2024年6月号:低栄養の予防のために

低栄養とは

低栄養とは、エネルギーとたんぱく質が欠乏した状態で、健康な体を維持し活動するのに必要な栄養素が足りない状態をいいます。
低栄養傾向の人の割合は、年齢階級が高くなるにつれ高まります。
低栄養となる主な原因は
・高齢期夫婦世帯や独居世帯による孤食
・味覚や嗅覚の低下
・身体活動量の低下
・咀嚼、嚥下等の口腔機能の低下
などが挙げられます。(厚生労働省HP「おいしく食べて低栄養予防!」参照)

低栄養になると合併症の増加、けがが治りにくくなる、死亡率の増加、認知機能のリスクの増加などリスクが高まると言われています。
ぜひ日々の食事を大切にしてください。

低栄養予防のポイント

①少しずつでも1日3食食べます
 栄養素の不足や偏りを防ぎやすくなります
②元気な体を保つためにはエネルギーとたんぱく質をしっかりとります
 【エネルギー源】身体を動かすためのエネルギーとなります
 糖分(主にごはん、パン、麺やイモ類、果物など)
 脂肪分(主に油や肉・魚の脂肪分)
 【たんぱく質】骨や筋肉、血液などの身体のもとを作ります
 (主に肉、魚、卵、豆腐、大豆、牛乳など)
 ※食欲がない時は主菜となるおかずを優先して食べます
③こまめに水分をとります
 高齢期になるとのどの渇きを感じにくくなる場合があります
 3食の食事でコップ1杯+おやつなどと一緒にコップ1杯を2,3回が目安です。
 ※疾患により水分制限が必要な方は医師の指示に従ってください
④口腔ケアも大切に
 歯の調子が悪いと食材の選択肢も狭まってしまいます
⑤朝起きて太陽の光を浴びて、軽いストレッチや深い呼吸もおすすめ
 1日を元気に過ごせます^^

食が細く十分な栄養が取りづらい方へ

効果的な栄養摂取のポイントをお伝えします。

①主食に栄養をプラス
 ご飯にごま、おかか、しらす、ツナ(缶詰)、卵などをかけて食べます
②汁物を具だくさんにします
 肉や卵と野菜をたっぷり入れることで1品で栄養価が高まります
 さらに汁物にアマニ油、えごま油を加えるとエネルギーがアップします
③食事の回数を増やします
 小食、食事に時間がかかって疲れてしまう場合は食事の回数を増やしてみてください
 間食でヨーグルト、チーズ、果物などをとるのもおすすめです
④好きな音楽を聴いたり、楽しい共食の場を作ったり、食事の雰囲気も大切です

そうは言っても…気分がすぐれないときなどはまずお好きなものを食べてください!

栄養バランスチェックシートを作りました。
(東京都健康長寿医療センター研究所が開発した食品摂取多様性スコアを構成する10の食品群から引用)
良かったらご活用ください!

2024年4月号:もち麦レシピ~便秘予防や皮膚の栄養に!~

今回、もち麦を活用する方法についてご紹介します。
もち麦は大麦の一種です。白米と一緒に炊き込むのが一般的ですが、それだけではもったいない!
サラダや汁物、ハンバーグやコロッケの種に加えたりといろいろ活用できます。
※嚥下機能の低下がみられる方への提供は控えてください※

もち麦(乾燥)の使い方

左:乾燥もち米50g  右:ゆでたもち米。120gぐらいになる

①もち米と水を鍋に入れ、沸騰させる。

②沸騰したら15~20分そのまま放置する。

③もち米が柔らかくなったら水で洗う。

④完成!あとは様々な料理に加えるだけ!

調理例

●もち麦入りきのこの味噌汁(約2人分)

【材料】
・もち麦 50g(ゆでた後)
・鶏こま肉 30g
・大根 30g
・しめじ 20g
・まいたけ 20g
・しいたけ 20g
・みそ 20g程度
・青ネギ 少々
・だし汁 300㏄程度

【作り方】
①具材とだし汁を火にかける
②具材が柔らかくなったら、もち麦を加えてみそを溶き入れる

【ポイント】
・今回はきのこが中心ですが、具材は何でもOK!
・みそが麦の臭みを取ってくれます。
●もち麦入り簡単ミネストローネ(約2人分)

【材料】
・もち麦 50g(ゆでた後)
・豚こま肉 30g
・玉ねぎ 30g
・大根 30g
・にんじん 20g
・セロリ 20g
・トマトジュース 150㏄程度
・コンソメ、塩 少々

【作り方】
①具材をサイコロ状に切って火にかける
②具材が柔らかくなったら、もち麦とトマトジュースを加える
③コンソメと塩で味を整える

【ポイント】
・豚肉を加えた方がベーコンよりもあっさりした味になります。具材はお好きに変えてください。
●もち麦入り簡単ぜんざい(約2人分)

【材料】
・もち麦 50g(ゆでた後)
・あずき缶 150g
・水 50g
※栗の甘露煮やフルーツを加えても良い

【作り方】
①材料を鍋に入れる。
②軽く火にかける。

左上:ミネストローネ 右上:味噌汁

ぜんざい

栄養ポイント

もち麦の栄養は、なんと言っても水溶性食物繊維ビタミン、ミネラルが豊富なことです。
水溶性食物繊維の一種であるβ-グルカンは腸内環境を整える働きがあります。
また、身体から余分なコレステロールを排出したり、血糖値の上昇を緩やかにしてくれます。便秘予防だけでなく生活習慣病にもおすすめの食材です。
ビタミンCは皮膚の栄養や免疫力を高める効果があります。

2024年1月号:栄養バランスとは?

栄養バランスとよく言いますが、いったいどのような意味なのでしょうか?

私たちの身体は食べ物からできており、身体を“作る”、“動かす”、“整える”ために必要な栄養をとることが栄養バランス(のとれた食事をとっている)と言えます。

栄養バランスをとるために、まずは3色の食材を毎食そろえるようにしてみませんか?

【黄】ごはん、パン、麺類などの主食となる、糖質中心
→“動かす”
【赤】肉、魚、卵、大豆などメインのおかずとなる、たんぱく質中心
→“作る”
【緑】野菜、きのこ、海藻などおもに副菜となるもの
→“整える”

毎食は難しいと思われがちですが、例えば朝は卵がけご飯と具だくさんの、みそ汁で3色そろいます。パンにチーズときゅうりやトマト、レタスをはさむのもいいですね。寒い時期は鍋料理が重宝します。

難しく考えずにまずは3色を意識してみてください(※疾患によってはこの限りではありません。)

バックナンバー

  • 2024年1月号

  • 2024年4月号

  • 2024年6月号